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京セラドーム大阪で阪神とオリックスの日本シリーズが開幕する
京セラドーム大阪で阪神とオリックスの日本シリーズが開幕する

球界大御所による“日本で一番重厚な関西シリーズ予想”「ズバリ4勝3敗で阪神がオリックスに勝つ」…その根拠とは?

 今季の阪神打線の代名詞となっている494個の四球数はリーグ1位だったが、オリックスも、また371個の四球を選んだ。両チームの打線の違いは、広岡氏が指摘するホームラン数と盗塁数。オリックスのチーム本塁打数109本はリーグ1位で、森が18本、頓宮、杉本が16本、ゴンザレス、中川圭が12本と2桁本塁打をマークした打者が5人もいる。だが盗塁数52はリーグワースト。
 一方の阪神は本塁打数84はリーグ5位で、盗塁数79はリーグトップ。そのうち盗塁王の近本が28、中野が20を占める。
 この日の前日練習には左足を疲労骨折していた首位打者の頓宮、左手首を痛めていた紅林も姿を見せて出場に支障がないことを示した。だが、CSの最終戦で左足首を痛めて途中退場した杉本は姿を見せず別メニューとなった。
 6月の交流戦では2-1でリードしていたゲームを9回に当時のストッパーの湯浅が頓宮、杉本に一発を浴びて逆転負けを喫した。その杉本がいなければ一発のリスクが減ることになるが、広岡氏は「出てくるものだと考えて準備すべきだ」と警告した。
 阪神が、前回日本一となった1985年の相手チームは西武で監督は広岡氏だった。対戦成績は阪神の4勝2敗。「バースに3本、掛布に2本打たれて、ホームランで負けた。第6戦の初回に高橋直が長崎に満塁本塁打を打たれたことだけが記憶にある」という。
 ヤクルト、西武監督時代に日本一を手にしている名将は、ホームランがシリーズを左右することを身を持って知るだけにホームランを巡る攻防を重要視するのだ。
 投手陣を見るとデータでは、阪神が防御率2.66(先発2.79、救援2.37)、オリックスが防御率2.73(先発2.61、救援2.93)と、ほぼ互角だが、ブルペンの数字は阪神が若干上だ。先発は阪神が村上、西勇、大竹、伊藤将、才木の5人、オリックスは山本、宮城、山崎福、東、田嶋の5人。オリックスのブルペンには、山岡、阿部、山﨑颯、宇田川、平野の強力な勝利方程式があるが、阪神も駒は多い。CSでは左腕の桐敷を6、7回に使い、1イニングに岩貞、石井、島本らを一人一殺で投入する継投策を見せた。
「阪神の先発には村上、大竹、伊藤に西とコントロールのいい投手が4人揃っている。失投さえしなければホームランは防げるだろう。対するオリックスには、山本、宮城の絶対的な左右のエースがいる。7戦を戦う先発の総合力では阪神が上だと考えるが、山本、宮城が4試合に投げることが想定されるだけに、この2人を攻略することが阪神勝利の条件になるだろう。山本は崩せると見ている。むしろ阪神にとって重要なのは宮城の攻略。実は日本シリーズは開幕戦よりも第2戦が大切なのだ」   
 6月の交流戦では、阪神は山本の前に8回までわずか2安打無得点に抑えこまれた。その2安打を打ったのは坂本で、彼以外は手も足も出なかった。
 広岡氏は、山本、宮城の攻略法をこう解説した。
「山本に対しては5回までは打席の前に立ち、インコースのボールには、ぶつかるくらいの気持ちで逃げず、徹底してアウトコースを狙いセンターから右へと返す。コントロールの良さを逆手に取るのだ。CSで岡田はファーストストライクを積極的に狙わせていたが、宮城に対しても、その戦略が有効になると思う」
 広岡氏は岡田監督と中嶋監督の采配にも注目している。

 

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