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阪神の岡田監督に2年連続の開幕投手に指名された青柳晃洋(写真・黒田史夫)
阪神の岡田監督に2年連続の開幕投手に指名された青柳晃洋(写真・黒田史夫)

なぜ阪神の岡田監督はMVPの村上頌樹ではなく青柳晃洋を2年連続の開幕投手に指名したのか…球団激励会で3.29巨人戦先発を発表

 昨季横浜DeNAとの開幕戦では6回途中まで1失点とゲームを作って勝ち投手となった青柳だが、途中不調でファーム落ちを経験するなど、18試合で8勝6敗、防御率4.57の数字に終わり、クライマックスシリーズでは登板がなかった。その青柳の開幕指名は、なにより気持ちや姿勢を大事にする岡田監督からの期待と奮起を促すメッセージなのだろう。
 巨人は昨秋の段階で阿部新監督が戸郷翔征を開幕投手に指名している。
 青柳は昨季対巨人には、8月まで登板機会はなく、3試合に先発して2勝1敗で防御率4.15。優勝マジック1として王手をかけた9月13日の甲子園での巨人戦では、6回を無失点に抑え、3試合で岡本和真も含めて、右打者への被弾はゼロ。阿部新監督は、ここまで2番オコエ、3番坂本、4番岡本と3人の右打者を並べるラインナップを試しており、変則下手投げの青柳であれば、その右打者を分断する可能性がある。もし青柳を意識して開幕から左打者を並べるなど動いてくれば、それはそれで見えない効果は大。昨季は横浜DeNAの三浦監督は、首位打者の宮崎が青柳を不得意としているため、いきなり開幕スタメンから外したが、結局、虎が3連勝した。
「岡田監督は、相手エースとぶつかる開幕投手は、そう勝ち星が増えないとの理論を持つ。しかも、6連戦の頭となる火曜日の先発を大事にしている。いわば勝って欲しい投手の青柳に開幕を任せ、勝ってもらわねば困る投手の村上に、次のカードである6連戦の頭の先発を任せることが、連覇を考えた上で理想のローテーだと考えたのだろう」
 池田氏が分析するように岡田監督には「火曜日エース論」がある。プロ野球の日程は火曜日から日曜日までの6連戦が組まれるケースが多く、実際、4月は、次のカードの4月2日の横浜DeNA、ヤクルトの6連戦から3週続けて、6連戦が続く。カードの頭をまず勝ちたい。しかも、そこには完投能力があり、中継ぎへの負担を減らす投手を配置しておきたい。村上の昨季の1試合の平均イニング数は伊藤将司に次いでチーム2位の6.56イニング。青柳の開幕と、火曜日の男、村上の4月2日の横浜DeNA戦の先発は、連覇へ向けて長いシーズンをにらんでのセットなのである。
 また岡田監督は、左腕を挟み、コントロール型の投手を続けて配置しないなど、ローテーションの順番を工夫している。ここから順調に調整が進めば、巨人3連戦には、青柳、伊藤将、才木の順で投げさせ、次の横浜DeNAとのカードは、村上、大竹耕太郎、西勇輝の順となる。肩のガングリオン除去手術で出遅れた大竹がもし間に合わないのであれば、そこに2年目の逸材左腕の門別啓人をあてはめればいい。

 

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