「これなんですか?」本田圭佑氏も疑問の”3分”給水タイムに批判殺到…広告枠を作るための”商業主義”に日本に敗れたオランダ主将も「正直好きじゃない。視聴者にとって良くない」と反発
ただ米「ウォール・ストリートジャーナル」によると、フランスのディディエ・デシャン監督は、「その3分間が試合のあらゆる流れを断ち切ってしまう。我々は適応しなければならないが、放送局はさぞ喜んでいるだろう」と皮肉を込めて語った。
チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した元スペイン代表のフアン・マタは、「選手の立場から見ると、あまり良いものだとは思わない。負けている時は得点したいし、勝っている時はボールを保持したい。私の考えでは、それが試合の流れを断ち切ってしまうように感じる」との見方を示した。
この問題の本質を前出の米「ウォール・ストリートジャーナル」は、こう指摘している。
「FIFAは北中米の暑い夏の気候から選手を守るための措置だと説明しているが、現場の反応は冷ややかだ。放送局は、この時間帯にビールやスポーツベッティング企業などの広告で埋め尽くしており、商業目的による広告時間の拡大ではないかという批判が相次いでいる」
今大会では、合計104試合が行われる。前半・後半ごとに3分間の休憩タイムが与えられるため、大会全体では10時間を超える追加の広告時間が生まれることになる。
元「ESPN」の幹部でスポーツメディアコンサルタントのジョン・コスナー氏は「事実上、サッカーを4クォーター制の競技に変えたようなものだ。莫大な価値を持つ新たな広告枠を生み出した」と分析した。
広告の専門家によると、大会序盤の試合における30秒CMの広告料金は約20万ドル(約3200万円)であり、注目度の高い米国戦では約75万ドル(約1億2000万円)まで跳ね上がるという。サッカーは、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球とは異なり、広告挿入に適した競技ではない。他の競技にはタイムアウトや攻守交代など試合が頻繁に中断される場面があるが、サッカーは、前後半45分間を途切れることなく進行する連続性こそが最大の特徴だからだ。そこに新たな広告枠を作ったのが、今回のハイドレーションブレイクというわけなのだ。
この影響で放送事故も発生している。米国内の英語放映権を持つフォックス・スポーツは、メキシコ対南アフリカの開幕戦の最初の給水ライムに案内映像を流した後、5本のCMを連続で放送した。さらに後半には広告が長引き、一部の視聴者が試合再開直後のプレーを見逃す事故まで起きた。
ただこの時間帯に広告を流している放送局は、米国、ブラジル、アイルランドなどで、一方で、メキシコやイギリス、NHKで放送時の日本などは、広告を流していない。
フォックス・スポーツのワールドカップスタジオ司会者であるロブ・ストーンは、こう警鐘を鳴らしている。
「ファンの立場として、私自身もこの休憩制度は好きではない。どうか本当に選手の福祉のためという正しい理由で行われていることを願う」
また米サイト「ジ・アスレチック」も「ファンのためでもなく、選手のためでもないのだとしたら、この休憩は本当は誰のためのものなのだろうか。その答えは大会開幕前から疑われていた。そして今その答えはますます明らかになりつつある」と皮肉を交えて問題提起した。

