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ウシクが逆転TKO勝ちもレフェリーのストップの疑惑の声が起きた(写真・ロイター/アフロ)
ウシクが逆転TKO勝ちもレフェリーのストップの疑惑の声が起きた(写真・ロイター/アフロ)

「八百長じみたクソ試合だ」「ボクシングは腐敗している」ヘビー級3団体王者ウシクがキック王者に11回逆転TKO勝利も「ゴング後」ストップ疑惑が物議を醸して現役格闘家達が怒りの声

 プロボクシングのWBC&WBA世界ヘビー級タイトルマッチが23日(日本時間24日)、エジプトのギザで行われ、王者のオレクサンドル・ウシク(39、ウクライナ)が、キックボクサーでボクシング経験は1試合しかないリコ・バーホーベン(37、オランダ)を11回2分59秒TKOで下して防衛に成功した。10ラウンドまで2人がドロー、1人がバーホーベンにつける大苦戦。レフェリーがまだバーホーベンが完全に戦意を喪失していない状況でしかもゴング後にストップする疑惑の判定で格闘界だけでなくボクシング界からも怒りの声が相次いだ。ウシクは米リング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングでスーパーバンタム級の井上尚弥(33、大橋)が1位に返り咲く前の1位だった。

 「早すぎるストップだったと思う」

 ピラミッドに眠る王の呪いでもあったのか。ギザの屋外特設会場で行われたビッグファイトで“大番狂わせ”が起きかけた。ヘビー級の3団体統一王者で、井上尚弥が中谷潤人を破って1位に返り咲くまで長らくパウンド・フォー・パウンド1位に君臨していたウシクが、キックボクサーで、ボクシングは、2014年に1度経験しただけという37歳のバーホーベンに翻弄され、ポイントで負けかけていたのだ。
 体重差が約11.5キロあるバーホーベンに構えた両手を忙しく動かされ、足を使われ、サウスポーのウシクが攻めあぐんでいるところにボディブローを浴び、フィジカルで押し込まれ、左右フックを打たれた。
 ウシクはカウンターの右アッパーで状況を変えようとするが、アゴを引き、身構えたバーホーベンが前へ出て、パンチを振り回してくるため、ガードを固めて、下がらざるを得ない展開となった。
 バーホーベンは、今回、ウシクと2度対戦した元4団体統一王者のタイソン・フューリーの叔父であるピーター・フューリーをトレーナーに迎えて、トレーニングを積み、戦略を伝授されていた。そのフィーリースタイルが効果を生んでいた。
 どうみても手数と攻勢点でキックボクサーがポイントを有利に運んでいるように見えたが、8ラウンド終了後の公開採点で76―76と3者がドロー。10回を終えた時点で、2者がドロー、1人が1ポイント差でバーホーベンにつけていた。
 ウシクに危機感があったのだろう。
 11回にドラマが生まれた。試合後にウシクが「右アッパーが当たって、バン、バン、バン、バンだった」と振り返った強烈なカウンターの右アッパーが変わらず前に出てきたバーホーベンの顎を打ち砕いた。たまらずバーホーベンは前のめりにロープに頭を突っ込むようにしてダウンした。立ち上がったが、なぜかレフェリーはドクターにダメージをチェックさせた。ドクターはすぐにOKを出して再開すると、ウシクは一気にラッシュをかける。左ストレートに右フックが当たり、さらにパンチを集め、バーホーベンが棒立ちになったところでゴングが鳴ったが、その直後にレフェリーがストップしたのだ。
 戦意を喪失していなかったバーホーベンはクビを振りダメージを否定して試合続行を求めたが、レフェリーは認めなかった。
 試合後のリング上のインタビューでバーホーベンはこう訴えた。
「早すぎるストップだったと思う。だってレフェリーも、もうラウンドが終了間際なのは分かってるはずだからね。俺を“盾の上で散らせか(最後までやらせる)”、あるいはゴングを鳴らすかのどちらかがだった。でも、それを決めるのは俺じゃない」
 そして「自分のパフォーマンスには満足している。ボクシング界が自分を認めてくれることを願っている」と落ち着いて話した。

 

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