「契約満了になるかも…」戦力外危機もあったJFL出身の“苦労人”FW谷村海那が28歳でサプライズ選出!森保監督は「J1で一番点を取っているだけでなくチーム戦術の中で多くの場面に絡む」
日本サッカー協会(JFA)は17日、W杯北中米大会後の初シリーズとなる9月及び10月の国際親善試合4連戦に臨む日本代表メンバー31人を発表した。半年契約で続投する森保一監督(58)はW杯代表20人に加えて、J1得点ランキングで日本人首位タイに立つFW谷村海那(28、横浜F・マリノス)ら4人を初招集した。谷村は日本フットボールリーグ(JFL)のいわきFCで2020シーズンにキャリアをスタートさせ、戦力外になる危機感を抱きながらもJ3からJ2を経て昨夏にマリノスへステップアップ。これまで無縁だった日の丸を背負うことになった苦労人ストライカーはどのような男なのか。
Jリーグで日本人トップタイの6ゴール
第3次森保ジャパンに異色のキャリアを歩む点取り屋が初招集された。
7試合を終えたJ1リーグで6ゴールをマーク。得点ランキングで2位タイ、日本人選手に限ればFW鈴木章斗(サンフレッチェ広島)と並んでトップに立っているマリノスの谷村が、W杯北中米大会後の初シリーズとなる9月及び10月の国際親善試合4連戦に臨む日本代表メンバー31人に名を連ねた。
年代別の日本代表にも無縁で、なおかつ28歳にして初めて日の丸を背負う谷村は、マリノスを介して初々しいコメントを発表している。
「最初に聞いたときは、言葉にならないくらいビックリしました」
岩手県盛岡市で生まれ育った谷村は、大谷翔平(ドジャース)の母校・花巻東高校から国士舘大学に進学。それまでのストライカーからボランチに転向し、4年次には9アシストで関東大学サッカーリーグ2部のアシストランキングで2位に入った。
しかし2020年春の卒業時にプロクラブからオファーは届かず、唯一、声をかけられたJFL(当時)のいわきFCへ加入したルーキーイヤーも悪戦苦闘が続いた。いわきはJ2を戦う今現在もフィジカル重視主義を掲げ、徹底した筋力トレーニングで鍛え上げられた選手たちが攻守両面でアグレッシブに走り回るスタイルを前面に押し出す。基礎体力が不足していた当時の谷村は、すべてを不得手としていた。
2020シーズンを出場7試合2ゴールで終えた谷村は、続く2021シーズンもなかなか試合に絡めない。同シーズン途中でストライカーへの再転向を決意した谷村の脳裏には、シーズンごとに数多くの選手を入れ替えるいわきの方針と、大卒で加入した自らの立場とが相まってこんな不安が駆け巡っていた。
「契約満了になるかもしれない」
JFLで優勝したいわきがクラブ史上初のJリーグ参入を果たし、J3リーグを戦った2022シーズン。3年目の戦いを前にした谷村はプロの世界で生き残っていくために、抜本的な意識改革を自らに課した。当時はこんな言葉を残している。
「それまでは油を使った料理をたくさん食べて、食事面でもよく指導を受けていた。コーチと真面目に話し合って、プロサッカー選手としての意識を変えていかないと生き残っていけないと自覚して、それからは自分の成長だけにフォーカスしてきました」
お互いの意見を真正面からぶつけ合い、大喧嘩も繰り広げたと苦笑するいわきの田村雄三前監督は、同時にこんな言葉を残していた。
「それでも彼はへこたれず陰の努力を続けていた。体脂肪を減らそうと夜な夜なランニングもしていたし、栄養面にも一番気をつかっている選手でした」

