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パラグアイ戦で鮮烈デビューしたDF伊藤洋輝が“ポスト長友”に急浮上(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
パラグアイ戦で鮮烈デビューしたDF伊藤洋輝が“ポスト長友”に急浮上(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

パラグアイ戦で鮮烈デビューのDF伊藤洋輝は長友佑都を超えることができるのか?

長友にあって自身にないものを問われた伊藤は、こんな言葉を残している。ただ、経験や実績はこれからの時間が解決してくれる。伸びしろがある分だけ、カタール大会までに長友との序列を覆す可能性もある。逆に自分にあるものを問われた伊藤は「1年間、ドイツでやってきたので」と左足の精度とデュエルにおける強さをあげた。

 もちろん伊藤自身、パラグアイ戦のプレーに100%満足しているわけではない。

「相手にプレッシャーをかけられて、それを回避しようとしたなかで(浅野)拓磨くんが目に入ったので低く蹴ろうとしたんですけど、ちょっと(軌道が)高くなってしまって。何とか収めてくれた拓磨くんに感謝したいです」

 浅野を狙ったロングボールが、実はイメージとずれていたと伊藤は明かした。さらに後半からポジションを移した左センターバックで、ゴール前で相手にパスをわたすミスから喫した、14分の唯一の失点にも反省の弁を繰り返した。

「完全に読まれていた。センターバックがあのようなリスクを冒して、ミスから失点につながってしまうのはいけない。二度とリスクを負わないようにしていきたい」

 A代表の舞台でフル出場できたからこそ、次に克服するべき課題が見つかる。東京五輪世代ながら、最終候補にすら残らなかった1年前を「漏れたのは当然の結果」と受け止めている伊藤のなかで、ポジティブな循環が生まれている。

 当時J2を戦っていたジュビロ磐田から、昨年7月に期限付き移籍で加わったシュツットガルトで幕を開けたシンデレラストーリー。新天地のレギュラーを射止めた過程で「成長したと思う」と自信満々に言う23歳は、カタールワールドカップへ向けた挑戦の過程で「ポスト長友」の最有力候補に急浮上しながら存在感を増していく。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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