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井上尚弥はタパレスに自ら握手を求めてニヤッと笑った(写真・山口裕朗)
井上尚弥はタパレスに自ら握手を求めてニヤッと笑った(写真・山口裕朗)

「歴史的な試合になるがまだまだ通過点」明日の4団体統一戦を前に井上尚弥に“金満大国”サウジアラビアから開催オファー…実現すれば数十億円マッチの可能性も

 来年5月には東京ドームでWBCの指名挑戦者で「日本で最も嫌われているボクサー」である元2階級制覇王者の“悪童”ネリとの防衛戦計画も練られている。
 アラム氏は「4団体統一をしても指名試合にとらわれずビッグファイトを優先させてもらえるように団体とは話をしている」と説明。WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)や、WBC世界同級王者のシャクール・スティーブンソン(米国)など、3階級の上の王者からも対戦を求める声もあるが、「来年はスーパーバンタム級で戦うと聞いている。その次にフェザー級。どの王者と戦ってもいい試合になるだろう。だが、焦って階級をどんどん上げて戦うなんて馬鹿らしいことは、いい選手はしない」と正論を展開した。
 ただ夢のような計画のすべてもタパレスに勝たねば白紙に戻る。
 アラム氏も「タパレスはタフな選手。簡単に次の話を進めない方がいい。目にケガをしてKOできなかったノニト・ドネアとの第1戦のようにエキサイティングでいい試合になる」と釘をさした。
 会見では、フィリピンのメディアから、1990年に東京ドームで当時のヘビー級の世界3団体統一王者だったマイク・タイソン(米国)が、伏兵のジェームズ“バスター”ダグラス(米国)にKO負けをした“世紀の番狂わせ”の戦いを覚えているか?との質問が飛んだ。
 井上は「生まれていないけど、歴史的試合があった認識はある」とだけ答えたが、フィリピンメディアは、33年前に日本で起きた、その試合にタパレスが奇跡を起こす可能性を重ねたのだろう。だが、当時のタイソンは、来日後のスパーリングでパートナーに倒されるなど、番狂わせが起きる予兆はあった。井上とは準備も心構えもまったく違う。
 今日25日の計量を前にリミットまで、1キロを切り、あとは「基礎代謝や半身浴で落ちる」という状況。バンタム級時代の世界戦で体重超過の前科のあるタパレスも「井上と同じく1キロはない」と言う。
「いよいよだな。楽しみでいっぱい」
 2人のフォトセッションでは井上の方から笑顔で握手を求めニヤっと笑った。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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