「毎日足を折られ失神する夢を見た。生きて帰れて良かった」武尊が引退マッチの壮絶舞台裏明かす…ロッタンから4度ダウンを奪い5回TKO…リングで異例の肉声メッセージを届けた理由とは?

だが、元王者は只者ではない。第3ラウンドには前蹴りを連発され、ダメージの回復を図りながら逆襲を仕掛けてきた。第4ラウンドには、会場から悲鳴がもれるほど、左右のフックをもろに被弾した。それでもその度に武尊は「ウォー」と雄叫びをあげて前へ出る、
なぜ今回はロッタンの強打に耐えられたのか。
「言い訳はしたくないが(前回は)戦える状態になかった。胸骨、肋骨が折れていて脳では頭をガードしなきゃと(考えていても、骨折していた)お腹を守らなきゃと自然に動いた。今回は、ロッタンのパンチが強い、効くことが分かった上で戦ったので耐えられた。最後にみんなの期待を裏切られない。死んでも倒れるかと思ってパンチをもらった」
前戦では試合前のスパーリングで骨折を負っていた。
ストイックでトレーニング“中毒”武尊は、「今までできなかったことがあるのに、それをやろうとして、自分の体を壊した」という。だが、再起戦の前からオーバーワークを自制することを覚えた。
それでもこれで現役を退き、次のない戦いだからギリギリまで追い込み、今後治療が必要なほど「壊れているところもある」という。
武尊も負けじと打ち返し、ダメージの蓄積しているロッタンは、4ラウンド終了のゴングを試合終了のゴングと勘違いしたようだった。
リングを降りたロッタンはコーナーのエプロンサイドにしばらく座り込んで動けないほどのダメージを受けていた。
劇的なリベンジファイトで有終の美を飾った武尊は、勝利者インタビューの後も、リングを去らず、1万人のファンもまた誰一人としてその場を動こうとしなかった。
近隣住人への配慮でマイクが使えなかったため、武尊はなんと四方に向きを変えながら、肉声で2つのメッセージを伝えた。
ハッキリとは聞き取れなかったが。試合後の会見で武尊が反復したことによると、一つは自らの格闘技人生をファンの人生に重ねた。
「僕のことを天才、エリートと思っているかもしれないが、全然そうじゃない。僕は格闘技センスがなかった。小学校から始めて勝てなかった。運動神経も普通。だけど強くなれた。結果も残せた。夢を持つことをあきらめて欲しくない」

