「井上が必ずしも中谷を倒せるとは限らない」井上尚弥からダウンを奪い中谷潤人と99回スパーをしたカルデナスが5.2東京Dを注目予想…「潤人が勝つにはリーチを生かす必要が」
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(33、大橋)と元3階級制覇王者の中谷潤人(28、M.T)のビッグマッチ(5月2日・東京ドーム)がいよいよ近づいてきた。昨年5月に井上と米国ラスベガスで戦い2回にダウンを奪うも、8回TKO負けを喫し、その後、中谷のスパーリング相手を務めたWBA同級2位、WBC同級4位のラモン・カルデナス(29、米国)が、米老舗専門雑誌「ザ・リング」で、このビッグマッチの展望を語った。

「井上と戦う時は積み重なるパンチのダメージが効いてくるんだ」
2人の実力を肌で知るカルデナスがビッグマッチの行方を「リング誌」で占った。
「何が起きるか正確には読めない試合だよ。私が井上と戦った時は“36分間完璧でいなければならない”と思っていたが、この試合は五分五分だと感じている」
カルデナスは、昨年5月にラスベガスで、当初、予定されていたアラン・ピカソ(メキシコ)の代役として井上と対戦し2回に左フックのカウンターでダウンを奪う大健闘を見せた。結局、滅多打ちにされ、8回に防戦一方となったところでTKOを宣言された。
「井上はペースと距離を支配し、細かい部分を非常にうまくやる。タイミングが抜群で、調整力もあり、攻めるべき時と引くべき時を分かっている。井上と戦う時の問題は一発の破壊力だけじゃない。積み重なるパンチのダメージが効いてくるんだ」
カルデナスは井上の強さをそう表現した。
敗れたもののモンスターを倒したことで評価を上げたカルデナスは、昨年12月18日に再起しエリック・ロブレス・アヤラ(メキシコ)を5回で下した。その試合に向けて同じく12月27日にサウジアラビアで、スーパーバンタム級へのテストマッチとなるセバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)戦を控えていた中谷のロスのキャンプに合流し、合計99ラウンドものスパーリングで拳を交えた。
「だいたい互いの力の50%くらいでやっていた。技術やスキルを磨くのが目的で潰し合いをするつもりはなかった。ただ彼にはプレッシャーをかけてタフな状況を作ろうとはした。ヘルナンデスが彼に苦戦を強いるだろうと分かっていたからね。そして実際その通りになって素晴らしい試合になった」
中谷はヘルナンデスのタフさと前に出続けてくるファイトに手を焼き、右目を大きく腫らして辛くも判定で無敗を守った。階級の壁を突きつけられた。
カルデナスは、「実際の試合で井上相手にすべてをぶつけるのは全く別物だ」とした上、「潤人は常に冷静で落ち着いた戦いをする素晴らしいファイターだ。そういう選手は多くない。苦しい展開でもゲームプランを貫く」と評価し、モンスターに勝つための条件をこう口にした。
「彼が勝つには自分のリーチを生かしてやりたいことをやる必要がある。井上にペースを支配させてはいけない。潤人のリーチなら間合いに入るのも難しくなるはずだ。彼は距離の使い方が非常にうまい」

