「37歳の井岡一翔は70%の出力でしか練習できていない」5.2東京D決戦へ井上拓真陣営が仕掛け、井岡陣営は「全部を見せる必要はない」と武器隠す…5階級制覇が「ボクシング人生の集大成」
プロボクシングの元4階級制覇王者の井岡一翔(37、志成)が17日、目黒区の志成ジムで5月2日に東京ドームでWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30、大橋)に挑戦する世界戦に向けての練習を公開した。井岡はスーパーバンタム級転級は考えておらず日本人初となる5階級制覇を最後のステージと位置づけ「ボクシング人生の集大成となる試合。期待以上の試合をして5階級制覇の偉業を成し遂げたい」と決意を語った。

「スーパーバンタム級は考えていない」
早くも心理戦がスタートした。
昨年11月に那須川天心を破って緑のベルトを腰に巻いた井上拓真と、元4階級制覇王者の井岡一翔のビッグマッチ。ファイトウィークは挑戦者の井岡の公開練習からスタート。大橋ジムのトレードマークである真っ赤なジャージに身を包んだ北野良トレーナーと鈴木康弘トレーナーがジムを訪れて会見の様子から目を凝らした。
井岡は、いつもの公開練習と変わらず、“ボクシング仙人”と呼ばれる脱力したシャドーとスティック打ちを1ラウンドずつ。だが、スティック打ちは、いつものそれとは違っていた。ジャブ、ワンツー、ダッキングは見せたが、カウンターのタイミングはほぼ見せず、得意の左のボディブローのカウンターはたった一度しか披露しなかったのである。
スティックを持った佐々木修平会長がニヤリと笑う。
「北野さん、鈴木さんが見にこられたので、今のコンディションの状態だけを見てもらおうと思っていた。全部見せる必要はないですよね」
すでに戦いは始まっているのだ。
大橋陣営も反撃を忘れていなかった。
北野トレーナーは「シャツの上から見ても(上半身が)分厚かった。ベストのバンタム級のような感じがする。顔色もいい。非常にコンディションはいい。会見でも“この一戦に勝つ”と何回も言って気持ちも充実しているんだなと。そういう意味で怖い、強いと思います」と井岡のバンタム級への肉体改造は認めた。
だが、井岡の1歳年上で、高校時代から全国大会で互いに顔を知っていたという鈴木トレーナーは、自らを例に出して37歳の年齢からくる“弱点”をこう語った。
「ハードな練習はしていると思うが、100%でやったら腰や肘とかどっかを痛める。70%の出力でやらないと続かない。腰を痛めたら2、3日は動けない。それを考えて“これくらいにします”と話し合ってやっていると思う」
井上拓真は真吾トレーナーに檄を飛ばされながら常に100%以上でトレーニングをしている。
「その100%と70%の違いが出るのか?」。そう聞くと鈴木トレーナーは「あるでしょうね」と即答。北野トレーナーがこう補足した。
「こっちはラウンドを重ねて追い込む練習をしている。10ラウンド以降。最後の3ラウンドがむちゃくちゃ大事」
暗に終盤に30歳と37歳の年齢差が出ると示した。
もちろん接戦になることは覚悟している。
「1ポイントでも2ポイントでも最終的に取っているような練習をしている」
北野トレーナーがそう明かした。
公開練習には、志成ジムの靴置き場に収まらないほどのメディアがかけつけた。
志成の関係者が「過去最高」という数。ざっと70,80人か。
井岡もここ数試合の公開練習での問答とは様子が違っていた。

