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全豪オープンの1回戦で連覇を狙うナダルのラケットが試合中に消滅する”事件”が発生した(写真・AP/アフロ)
全豪オープンの1回戦で連覇を狙うナダルのラケットが試合中に消滅する”事件”が発生した(写真・AP/アフロ)

連覇狙うナダルのラケットが全豪OPの試合途中に”消滅”する”事件”発生…「ボールボーイが私のラケットを盗ったんだ!」

 テニスの全豪オープンが16日に開幕、男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク2位で第1シードのラファエル・ナダル(36、スペイン)が同40位のジャック・ドレイパー(20、英国)を3時間41分の熱戦の末に3-1で破り連覇へ向けて好発進した。この試合の第1セットの途中で、ナダルのラケットが消滅する“事件”が発生。ガットの張替えを依頼されたボールボーイがラケットを取り間違えたのが真相のようだが、ナダルは動揺することなく別のラケットでプレーを続けて7年連続の初戦突破を果たした。

 真相はガットの張替えを依頼したラケットの取り間違え

 

 ナダルがなかなかベンチから出てこない。
 笑いながら両手を広げてクビをひねった。なんと次のゲームから使用しようと考えていたラケットが消滅していた。必死でカバンの中を探しているがお目当てのラケットが見つからない。 
 第1セット、ナダルが4-3のリードで迎えた第8ゲームの開始前だ。すでに相手のドレイパーは、コートに出て準備を始め、ナダルが出てくるのを待っている。だが、ナダルはベンチから主審に「私のラケットを取り戻す必要があるんだ」と訴えた。
 ラインマンがナダルへ「あなたのラケットはボールボーイが持っていった」と教えたようで、ナダルは、ドレイパーにも、冗談交じりに半分笑いながら大きな声で「ボールボーイだ!ボールボーイが私のラケットを盗っていったんだ!」と伝えた。
 英メディアの「トークスポーツ」によると、ボールボーイの1人が間違ってナダルが使用しようとしていたラケットをガットの張り替えに出してしまったようで、ナダルは、「張り替えが必要なのはこっちのラケットで、持っていったものではない」と主審にアピール。主審は電話を取ってラケットを戻そうと連絡をしたが、結局、目当てのラケットは戻らずじまい。
 ナダルは、それほど深刻な様子は見せずに消滅したラケットではなく、バックの中から取り出した別のラケットでコートに復帰したが、専門家たちは、この“ラケット消滅事件”を問題視していた。
 英デイリーメール紙によると、ナダルは水のボトルの置き方にさえ完璧を求める几帳面な性格で、ましてラケットへのこだわりも強く、かつて4大大会をすべてダブルスで制した解説者のジョン・フィッツジェラルド氏は、「なんということだ。これは大きな(ボールボーイの)ミスだ。彼はガットの張り、使用したいラケットの状態を知っているからね」と心配していた。
 結局、ナダルは、そのゲームは落とすが、このセットは7-5で奪い、第2セットを落としたが、第3、4セットを粘り強いテニスでものにして連覇へ向けて1回戦を突破した。ラケット問題は試合に影響しなかった。
 試合後、ナダルはユーロスポーツの取材に対して”ラケット消滅事件”について「気を散らされることはなかったが、ただおかしな状況だった。私は普段からラケットの何本かをコントロールできる状況にしておく。私は『ガットの張替えが必要だ』とは伝えたが、それが必要なのは、他のラケットだった。彼(ボールボーイ)が、私の(使用予定の)ラケットを持ち出していく間、私はプレーに向かう準備をしていて気がつかなかった。だが、問題はない。彼はラケットを持っていったが、それでも問題はまったくなかった」と笑顔で答えたという。
 前出のトークスポーツは、「ナダルは他のことでは怒りを見せるが、今回はとても温厚だった」と、その紳士的な姿勢を称えていた。
 とんだハプニングに見舞われたが、ナダルは3時間41分の熱戦を勝ち抜き、連覇へ向けて好スタートを切った。
 試合後の会見では、「私には勝利が必要だった。タフな戦いだったけれどミスをうまく消化することができた。すべてのミスをポジティブに受け止めて前を向くのが、私の流儀。試合に勝つことで余裕と自信が生まれる」と語った。しかもコンディションは最高に仕上げてきたようで「ここ数年の中で最もシェイプアップしている。私はここで結果を出すために努力してきたんだ」という。
 ナダルは2回戦で世界ランク65位のマッケンジー・マクドナルド(27、米国)と対戦する。

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