神戸が6月6日に国立でバルサと親善試合を行うが、退団濃厚のイニエスタの日本ラストマッチとなる可能性が高い(資料写真:松尾/アフロスポーツ)
神戸が6月6日に国立でバルサと親善試合を行うが、退団濃厚のイニエスタの日本ラストマッチとなる可能性が高い(資料写真:松尾/アフロスポーツ)

6.6国立バルサ戦がイニエスタの日本ラストマッチ?!

バイエルンは7月29日に川崎フロンターレと国立競技場で対戦。セルティックはアンジェ・ポステコグルー監督やFW前田大然、DF岩田智輝の古巣である横浜F・マリノスと、7月19日に日産スタジアムで対戦することが同じく9日に発表された。
 対照的にバルセロナが来日する6月第1週はJ1リーグ戦もたけなわで、首位を快走する神戸は3日にホームで川崎と、10日には敵地でセレッソ大阪と対戦する。難敵との連戦の合間に天皇杯の日程をあえて変更し、東京へ移動してバルセロナ戦に臨むわけだ。
 ここで素朴な疑問が思い浮かぶ。なぜ夏場の中断期間に実施しなかったのか。
 バルセロナ側から見れば、収入の問題がある。深刻な財政難に陥って久しいバルセロナは、昨シーズンもリーグ戦終了直後にオーストラリア遠征を実施。8万人以上を収容できるシドニーのスタジアム・オーストラリアでAリーグ選抜と国際親善試合を行い、前出の「MUNDO DEPORTIVO」によれば約500万ユーロ(約7億4000万円)の収入を得たという。
 ヨーロッパのクラブは、ほとんどが6月決算となる。6月第2週になれば国際Aマッチデー期間で主力の大半が招集され、その後はオフに入る。昨年と同じ規模の臨時収入を6月中に得るには第1週しか空きがない状況で、約6万8000人を収容できる国立競技場で、バルセロナひと筋で16年間プレーしたイニエスタが所属する神戸へ対戦相手として白羽の矢を立てた。
 神戸側から見れば、そのイニエスタの去就がクローズアップされてくる。
 同じく「MUNDO DEPORTIVO」は先週末に「イニエスタ、神戸での最後の試合はバルサ戦?」と題した記事を掲載。そのなかで同じタイミングで今夏での神戸退団か、もしくは現役引退かが日本国内で報じられたイニエスタに関して次のように伝えている。
「イニエスタの意向は現役引退ではない。現時点で彼のコンディションは非常によく、この夏以降もプレーを続けたいと考えている。中東かアメリカのクラブを有力な新天地として、キャリアを続けたい考えを神戸に伝えたと日本では報じられている」
 契約最終年のイニエスタはコンディション不良で出遅れ、さらに夫人のアンナさんの第5子出産に立ち会うためにスペインへ一時帰国。再来日がJ1開幕から3週間あまりが経った3月14日になった間に、吉田孝行監督はイニエスタ不在の戦い方を追い求めた。
 ハイプレスを軸にすえた球際の強度が高く、なおかつハードワークを厭わない守備から、ボールを奪うと最前線のFW大迫勇也をまずターゲットにすえる。イニエスタがピッチ上にいるときとは対照的なスタイルで、神戸は開幕から順調に白星を積み重ねた。

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