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元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾の肉体は見事にビルドアップされていた(写真・山口裕朗)
元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾の肉体は見事にビルドアップされていた(写真・山口裕朗)

「2人との差をどう埋めるか」世界前哨戦に挑む比嘉大吾がバンタム級のトップ戦線に君臨する井上拓真&中谷潤人との対戦を意識

 現在のバンタム級のトップ戦線は、WBA王者に井上拓真、来年2月24日にアレハンドロ・サンチアゴ(メキシコ)のWBC王座へ挑戦する元2階級王者の中谷がいて、WBO王者のジェイソン・モロニー(豪州)をターゲットにしている元OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の武居由樹(大橋)ら日本人がひしめいている。
 会見で井上拓真、中谷についての意見を聞くと、比嘉は「2人とも技術もあって、実力も自分より抜けてる部分がある。まだ彼らとの試合が決まったわけじゃないが、明日、いい試合をして、その差をどう埋めるか」と意識していた、
 日本人対決も希望するのか?と突っ込むと「チャンスがあればどのベルトでもいい」と、2人との対戦をも辞さない考えを示した。
 “二人三脚”でここまで来た野木トレーナーの話によると、井上拓真とは7年前に、中谷とは昨年にスパー経験があり「苦手意識は持っていない」という。
「気持ちの構えと、ボクシングの構えがピタリとあえば、世界チャンピオンになれる。背後が火事になっている状況で思い切り逃げられるかどうか(笑)。能力は世界に出しても恥ずかしくないくらいに高い。バンタム級は人材が凄いが、そこで戦っていける能力がある」
 野木トレーナーは「メンタル面が充実するという条件付き」としながらも、比嘉の井上拓真、中谷との対戦が実現した場合に勝つ自信を持つ。
 ただ、井上拓真は肋骨を骨折して11月に予定していた元IBF世界スーパーフライ級王者、ヘルウィン・アンハカス(フィリピン)との防衛戦が来年2月24日に延期になっており、勝てば、次に指名挑戦者の石田匠(井岡)との試合を優先させなければならないため、比嘉に挑戦チャンスが巡ってくるのは、まだ先だ。
 中谷も、WBC王座を獲得して3階級制覇に成功しても、次戦は、1位のアストロラビオとの指名試合となる可能性が高い。いずれにしろ比嘉は、今日の大晦日決戦でタイ人をスカっと倒して世界挑戦資格を得るステージに上がっておかねばならない。
 野木トレーナーが言う。
「前回よりも数段(仕上がりは)いい。相手も前回よりも強いと思うが、比嘉がしっかりと試合モードに入って、高いレベルで行動ができれば面白い試合を見ていただける」
 世界切符を手にするための重要な試金石だ。

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