• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • W杯最終テストでカナダに逆転負けの森保Jは本当に大丈夫なのか…セットプレーの課題と柴崎ー相馬が示した存在感
右のサイドハーフで先発出場した相馬が技ありの先制ゴールを奪うも(写真・AP/アフロ)i
右のサイドハーフで先発出場した相馬が技ありの先制ゴールを奪うも(写真・AP/アフロ)i

W杯最終テストでカナダに逆転負けの森保Jは本当に大丈夫なのか…セットプレーの課題と柴崎ー相馬が示した存在感

  W杯開幕を前に日本代表が17日、UAE(アラブ首長国連邦)のアルマクトゥームスタジアムでカナダ代表との国際親善試合に臨み、1-2と逆転負けを喫した。日本は開始8分にボランチ柴崎岳(30、レガネス)の縦パスに抜け出したMF相馬勇紀(25、名古屋グランパス)のゴールで先制。しかし、同21分にセットプレーから同点とされ、後半アディショナルタイムに献上したPKで勝ち越された。開幕前の最後の強化試合で得た収穫と課題を追った。

 吉田「ドイツ戦へ向けて修正はきく」

 

 カナダ戦のキックオフをベンチで迎えたキャプテン、DF吉田麻也(34、シャルケ04)はリザーブメンバーとカナダのセットプレーを警戒しあっていた。
「カナダは前半からすごくいいボールを上げてくると、みんなとも話していたんですよ」
 迎えた前半21分。カナダが獲得した3本目のCKで、不安は現実のものとなった。右から上げられたクロスに対して誰も触れない。ゴール正面に落ちてきたボールをMFハッチンソンがボレー。さらにファーサイドでDFビトリアが右足でコースを変えてゴールネットを揺らした。
 この場面ではFW浅野拓磨(28、ボーフム)がニアサイドでストーン役を務めていた。ストーンとはCKの守備側で、ニアサイドに立ってボールをはね返す選手を指す。
 しかし、CKに合わせて跳び上がろうとした浅野を、DFミラーがブロックしてクリアを阻止。ボールはハッチンソンの前に出たDF板倉滉(25、ボルシアMG)の頭上も通過し、ファーサイドにいたMF田中碧(24、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)のビトリアへの対応も一瞬遅れた。
 浅野へのブロックから陥った悪循環を、吉田が苦笑しながら指摘した。
「あの形で守る以上は、ストーンが相手にブロックされてもニアで誰かが必ず触る。改善しなきゃいけないのは間違いないんですけど、じゃあセンターバックの選手をストーンに置いて拓磨のマークでやられたとしたら、マーク役の背が足りないという一長一短の話になるんですよね」
 浅野が跳べない状況を察知して、慌ててDF谷口彰悟(31、川崎フロンターレ)がニアへ飛び込んだが間に合わなかった。それまでの2度のCKでも、危ない場面が続いていた。しかし、浅野のストーン役は「みんながいいと思っていた」と板倉は明かし、さらにこう続けた。
「もちろん相手にあそこをブロックされた、というのはありますけど、そうした状況でどのようにマークをチェンジするのか。そこはみんなで突き詰めて、擦り合わせていきたい。ひとつのミスがああして失点につながるし、本番でもセットプレーの守備は集中しなければいけない。ここで一発やられて、ドイツ戦へ向けて修正が効くのでよかったと思っています」
 ドイツ代表とのグループステージ初戦を6日後に控えた段階で、舞台をカタールからUAEの首都ドバイのアルマクトゥームスタジアムに移して行われたカナダとの国際親善試合。森保一監督(54)は前日会見で公言した通り、先発のダブルボランチに柴崎と田中を起用。ともに膝の故障明けの板倉をセンターバックで、浅野を1トップでピッチに送り出した。

 

関連記事一覧