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レアル・マドリード戦でゴールを決めた久保建英( 写真:なかしまだいすけ/アフロ)
レアル・マドリード戦でゴールを決めた久保建英( 写真:なかしまだいすけ/アフロ)

「僕は来季も100%ソシエダの選手」なぜ久保建英はビッグクラブ移籍を封印してレアル・ソシエダ残留を決断したのか

 日本語の字幕がつけられた質疑応答。インタビュアーから「試合を重ねるごとに、よくなっているように見える」と向けられた久保はこう語っている。
「みんなが信頼してくれている。監督も、チームメイトも、何よりファンも。ピッチ上でこれほど信頼されていると感じられることは、プロになって以来なかったと思います。うまくいくように自分自身も取り組んできましたが、ファンが伝えてくれる信頼は10点満点です」 決して長くはないプロサッカー人生で、相思相愛のクラブと巡り会える確率は決して高くない。そのなかで久保は自らチームをけん引し、チームに生かされ、本拠地を置くサン・セバスティアンの町全体から愛されている。覚醒を導いてくれたソシエダというクラブを含めたすべての環境と、わずか1年で離れるメリットは現時点で見当たらない。
 より明確になった来シーズンの戦いも、ソシエダ残留を後押しした。
 上位4チームが来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を得られるなかで、ソシエダは4位をキープしている。3日(日本時間4日)の時点で、5位ビジャレアルとの勝ち点差は7ポイント。残されたリーグ戦は5試合。久保は試合後の会見で「重要な試合が残っているけど、このまま続けていけば目標を達成できると思う」と自信をみなぎらせている。
 出場権を手にすればソシエダとしては2013-14シーズン以来、10年ぶりとなる。ビジャレアル時代の2020-21シーズン、そして今シーズンとUEFAヨーロッパリーグを戦った久保にとっては未知の舞台。何よりも22歳で迎えるシーズンで「チャンピオンズリーグでプレーしたい」と描いてきた青写真を、自らの力で具現化させるチャンスが目の前にある。
 試合後の会見ではチャンピオンズリーグへの思いも問われた。
「子どものころはチャンピオンズリーグを見るためにテレビをつけていたし、音楽もかけていた。チャンピオンズリーグでプレーするためのステップを踏み出したい」
 残り5試合には首位を独走するバルセロナ、3位のアトレティコ・マドリードとともに敵地で対戦する難カードも含まれる。ここまで自身がゴールを決めた8試合で、ソシエダがすべて勝利している不敗神話を指摘された久保は不敵な言葉も残している。
「僕が毎試合、1点を取れば(残り5試合全勝で)チャンピオンズリーグに行ける、ということですよね。この連勝が続くかどうかを見てみましょう」
 スペイン国王杯決勝が今週末に開催される関係で、本拠地レアレ・アレーナにジローナを迎える次節は13日まで空く。残留宣言で周囲の余計な声を封印した久保は来シーズンへもつながる戦いへのラストスパートに入る。

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