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鹿島アントラーズの鈴木優磨が5月14日の名古屋グランパス戦で主審を睨んだ行為が異例の展開に発展(写真・アフロスポーツ)
鹿島アントラーズの鈴木優磨が5月14日の名古屋グランパス戦で主審を睨んだ行為が異例の展開に発展(写真・アフロスポーツ)

なぜ抗議文?なぜ批判?鹿島FW鈴木優磨の主審を睨む行為が“再炎上”して審判委員会とクラブが“対立”する異例の展開となっている理由とは…

 ブリーフィングでは一般論の形で言及された。しかし、映像の流れなどもあって容易に鈴木と特定できるために鹿島は抗議に至った。鹿島はさらにこう続けている。
「当該選手の行為について、クラブからは試合後に本人へ厳重注意を行いました。一方、試合日から本日に至るまで、同委員会からクラブならびに選手への注意などは受けておりません。それにも関わらず公式戦直前のタイミングで、レフェリーブリーフィングでコメントが発出されたこと、同ブリーフィングにおける各種コメントにおいて審判員が特定される表現や発言が避けられている中で、当該選手の行為については選手名が特定されていることをクラブとして問題視し、同様の事象発生を防ぐためにも、正式に抗議いたしました」
 当日の国立競技場のスタンドは5万6020人もの大観衆で埋まり、地上波のNHK総合でも生中継された。注目度が高かった一戦で起こった、フェアプレー精神と審判団へのリスペクトに著しく欠ける前代未聞の行為はさまざまな形で発信された。将来のプロを夢見る子どもたちには見せられないなどと、ネット上では鈴木に対する批判が集中する事態を招いた。
 今シーズンの鈴木はリーグ戦で全15試合に先発。チーム最多、リーグ3位タイの8ゴールをあげて鹿島をけん引する一方で、いずれも反スポーツ的行為で3枚のイエローカードをもらっている。例えば2月18日の京都サンガF.C.との開幕戦では、鹿島が追加点を奪った直後にゴール裏の京都サポーターを挑発したと映った行為が警告の対象になった。
 5月にはJリーグ30周年特別企画として、鈴木はプロレスラーの蝶野正洋氏と対談。そのなかで京都との開幕戦以外でもサッカー界を騒がせ、批判の対象にもなってきたピッチ上での言動を、あえて「喧嘩腰スタイル」として演じていると明かしていた。
熱さと激しさを同居させる、喜怒哀楽を前面に押し出すプレースタイルはしかし、鹿島以外のファン・サポーターにはなかなか受け入れられない。主審を威嚇するような名古屋戦での行為は、鈴木に向けられていた嫌悪感をさらに増幅させたと言っていい。
 しかし、批判が一気に高まったなかで、サッカー界からの発信はなかった。
 前述したように、鹿島は公式HP上で鈴木に対して厳重注意を行ったと明かした。衆人環視で取られた行為を深刻に受け止めたのであれば、厳重注意だけでなく再発防止策などを名古屋戦の直後に公表し、クラブおよび鈴木本人が謝罪していれば事態はまた変わっていたはずだ。SNS上における誹謗中傷から、鈴木を守る手段にもなっていただろう。
 事態を重く見ている審判委員会としても、名古屋戦後に緊急のブリーフィングを開催し、審判団が毅然と対応すべきだったという見解を示すべきではなかったか。
 今シーズンでいえば、開幕直後の2月22日に同委員会は緊急ブリーフィングを開催。0-0で引き分けた同18日のサンフレッチェ広島-北海道コンサドーレ札幌で、広島のゴールを認めるべき場面でそれが見逃される誤審があったと公表。扇谷委員長が謝罪している。このときも問題の場面が起こった直後から、SNS上で物議を醸していた。
 勝敗に直結する誤審が起こったとして迅速に対応したが、鈴木の場合もサッカーという競技の根幹を損なう行為だと認識したのであれば、緊急ブリーフィングの対象とすべきだったのではないか。

 

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