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“モンスター”井上尚弥がスーパーバンタム級の転級初戦で“最強”フルトンと対戦する方向で交渉が進んでいることを初めて明かす
“モンスター”井上尚弥がスーパーバンタム級の転級初戦で“最強”フルトンと対戦する方向で交渉が進んでいることを初めて明かす

井上尚弥がフルトン戦の交渉を認め「2人が戦えば面白い試合になる。何が何でも勝つ」と発言した理由とは?

 番組で共演した父で専属トレーナーである真吾氏も「フルトンが過去最強かどうかはわからないが、チャレンジマッチになる」と位置付け、「目がいい。ディフェンスもいい。見切ったときに尚弥がどう感じるか。最終的に徐々にプレッシャーかけて尚弥が詰める。攻撃を外しながら、どちらが(見切りが)優っているかという試合になる。ただ気持ちは尚弥の方が強い。その差が出てくると思う」とポイントをあげた。
 つまりリング上で実際に向かい合ったときにしか感じることができない距離の攻防だ。番組に解説者として参加していた元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏も距離の攻防がフルトン戦のカギを握ると見ている。
「井上選手がフルトンの深い懐にどう入っていくかがポイントになる。ステップの変化など彼が持っている色々な引き出しを使う必要がある。番組内で井上選手もジャブが当たるかどうかと発言していたが、おそらくステップインもバンタム時代に比べて、何センチか変えていかねばならないと思う。そして、相手との距離があるというのは、フルトンにとってもパンチを見切りやすい時間があるということを示す。簡単な戦いにはならないと思う」
 21勝8KOとKO率が低く、ここ4試合の世界戦はすべて判定勝利で、一発で決めるパンチ力がないようにも思えるが、飯田氏はその見方を否定した。
「パンチがないというわけじゃない。勝負にいくところをあえていかないという頭を使ったリスクを負わないクレバーなボクシングをしているだけのこと。至近距離でも打ち合う気持ちの強さもある。いわゆる負けないボクシングに徹することができるボクサー。階級が上がったことで相手に耐久性も出てくる。井上選手は、一番難しい相手をいきなり選んだ。そこが井上選手の凄いところなんでしょうが」
 かつて井上は、「フルトンは気が弱い」と発言したことがあったが、研究をするにつれ、勝負にいかない戦い方は、フルトンのクレバーさの裏返しであることがわかり、「今はそうは思わない」と言い回しを変えた。
 この階級に適応していくための順序としては、フルトンは転級初戦に戦う相手ではないのだが、井上自身は「決まった相手とやるだけなんで」と、全くもって臆しておらず、この試合が究極の勝負になるという覚悟を決めている。
「ここから(スーパーバンタム級)は勝ちに徹する。僕とフルトンが戦えば面白い試合になる。何が何でも勝つ。という気持ちでやる」
 秒殺を続けてきたバンタム級までの“モンスター”とは、また違う“シン・イノウエ・ナオヤ”が見られることになるのだろう。
 試合は5月上旬に首都圏の会場で調整が進んでいる。

 

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