判定に物議?!「どこが負けなのか。もて遊ばれた」WBA世界戦で増田陸に1-2判定負けの比嘉大吾の野木トレーナーが判定に不服…帝拳陣営は「そんないいパンチはもらっていない」と反論
そして試合後に「勝って明かす」としていた戦いたい相手をこのベルトの休養王者の堤だと表明した。プロ4戦目に「井上尚弥4団体統一記念バンタム級モンスタートーナメント」で日本王者の堤に挑み、判定負けを喫しているキャリア唯一の黒星の相手。だが「リベンジではなくリマッチ」だという。
「僕はチャンピオンになりました。堤選手もチャンピオン。2人がそこで戦うとどういう結果になるのか。個人的に興味がある。リマッチをしたい」
一方の比嘉は現役続行を表明した。
「続けたいですね。続けれるなら」
入場時から最終ラウンドまで大吾コールが鳴りやまなかった。
「入場時から泣けてきて…」
試合後の会見の途中で何度か言葉につまり涙を堪えきれなかった。
今回の復帰は、野木トレーナーに説得されたわけではなく自らが志願した。
「今までは自分というものがないから勝てなかった。だから、今度は自分というのをどんなときも持っていたい」
環境も変えた。野木トレーナーとのマンツーマン体制を解消し、野木トレーナーは「チーム大吾」の総監督となり、会長で元4階級制覇王者の井岡一翔を見る佐々木修平トレーナー、元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男を育て、日大ボクシング部を指導している藤原俊志トレーナー、嶋田達希トレーナ、元OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の木村吉光らとチームを組み、ミットもいろんな人に持ってもらい視野を広げた。井岡の東京ドーム決戦前にイスマエル・サラストレーナーが来日した際には、サラストレーナーにもミットを持ってもらい、アドバイスをもらった。野木トレーナーは、その主体性を歓迎した。一方的ではなく毎日、話し合いでメニューも決めた。日曜だけでなく木曜にもオフデーを作って週休2日制にした。オーバーワークがなくなり、練習の質を求めた。それは試合まで練習期間が約3か月しかない比嘉にとって賭けでもあった。
野木トレーナーは「これまで3戦は絶望だったが、その言葉を聞いて気持ちが奮い立つ思い」と続投宣言を歓迎し「5度目の世界挑戦が100%無いとは言い切れない」との希望を口にした。
比嘉はまた勝てなかった。
しかし未来へつながる敗戦だった。
そしてまだプロ12戦の新王者は高い志を口にした。
「スタート地点。ベルトの価値上げたい。チャンプとして本物、一流のボクサーになりたい」
2人が再び交わる機会はないのかもしれない。
だが、限りない魅力を秘めた新王者の誕生で日本人が主役を争うバンタム級戦線が大きく動き始めた。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

