鈴木彩艶のユベントス移籍が濃厚…PSGの獲得打診で争奪戦勃発も最低55億円の移籍金が急騰する前に決着をつけたいクラブ思惑と「選手の意思」が合致…「ユーべがポールポジション」と仏報道
浦和レッズの下部組織に小学生年代から所属してきた鈴木は、2023年夏にプレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドから完全移籍のオファーを受けた。しかし、セカンドキーパーでのオファーだったためにこれを拒否。期限付き移籍でのオファーを出してきたベルギーのシントトロイデンへ新天地を求めた。
すぐにレギュラーを獲得した2023-24シーズン中に完全移籍へ移行した鈴木は、2024年夏にパルマへとステップアップ。同時に日本代表のレギュラーにも定着し、試合出場を介して潜在能力を開花させながら自身初のW杯を迎えた。
浦和では大ベテランの西川周作との序列を覆せず、セカンドキーパーとして出場機会を待ち続けた鈴木は、3年前の決断をこう振り返っていた。
「マンチェスター・ユナイテッドで試合に出られるレベルにあるのかどうかを考えたときに、日本で試合に出られていない自分ではなかなか難しいと思い、着実にステップアップしていきたいと判断しました。とにかく今の自分は試合に出るのが、さらにヨーロッパの舞台でプレーするのも大事でした。ヨーロッパの舞台で活躍していけば、必ず他のクラブの目にも留まると思っています」
浦和時代が実力養成期間ならば、シントトロイデンやパルマでは試合出場を介して自身の名を知らしめる飛躍する時期。そして、自身初のW杯で自信を膨らませて迎える新シーズンは、ビッグクラブのゴールマウスを守る段階だと位置づけていたのだろう。
その観点で言えば、状況が不確実なPSGはおのずと選択肢から外れる。昨シーズンのセリエAで6位に終わり、最高峰のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場こそ逃したものの、ひとつ下のUEFAヨーロッパリーグ(EL)に出場するユベントスは、鈴木にとって未知だったヨーロッパの戦いを経験できる上でも最適解となる。
こうした状況を受けて、仏メディアの『FOOTMERCATO』は「鈴木の獲得合戦で、ユベントスがポールポジションに立っている」とこう伝えた。
「ダイナミックなセーブと爆発的なキック力を持つ鈴木のファンだと公言するユベントスの監督ルチアーノ・スパレッティは、移籍へ向けて鈴木本人や代理人と何度もやり取りを重ねている。監督自らが先発の座を保証して説得できるユベントスに対して、PSGの監督ルイス・エンリケにはそれができない。できるのはセカンドキーパーか、他クラブへの期限付き移籍を約束することだけだ」
プレミアリーグに憧憬の念を抱き、十代の頃から「プレミアリーグで活躍する最初の日本人キーパーになりたい」と夢見てきた鈴木がリーズやニューカッスルへ断りを入れたのは、ともに来季のヨーロッパの戦いに参戦できないからだろう。
8月21日に24歳になる鈴木は今までも、そしてこれからも年齢に不釣り合いなほど冷静沈着に自身のキャリアを設計している。そして望み通りにパルマからユベントスへのステップアップを果たしたときには、イタリアが生んだ偉大なゴールキーパー、ジャンルイジ・ブッフォン氏と同じルートをたどることになる。

