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日本代表DF酒井宏樹らを擁する浦和レッズが横浜F・マリノスに完敗。開幕2連敗で最悪のスタートとなった(写真:千葉 格/アフロ)
日本代表DF酒井宏樹らを擁する浦和レッズが横浜F・マリノスに完敗。開幕2連敗で最悪のスタートとなった(写真:千葉 格/アフロ)

なぜ浦和レッズは“ドン底”開幕連敗を喫したのか…「2試合で勝ち点はゼロ。かなり悪い状況だと思っている」

 今シーズンで30周年を迎えるJリーグで浦和が開幕連敗を、ともに無得点で喫したシーズンは過去に4度ある。Jリーグのお荷物と揶揄されていた1993、1994シーズンはそのまま最下位に低迷。2002シーズンも16チーム中で11位にあえぎ、2008シーズンは第3節を前にホルガー・オジェック監督を解任。最終的に18チーム中で7位にまで巻き返した。
 実に15年ぶりとなる最悪のスタートを切った今シーズン。新たにキャプテンに就いた日本代表DF酒井宏樹(32)を先頭に、日産スタジアムのゴール裏を赤く染めたファン・サポーターへ試合後の挨拶へ向かった浦和の選手たちへ、大音量のブーイングが浴びせられた。
 しかし、光景はすぐに変わった。マスク着用の条件つきながら、声出し応援が全面可能になったスタンドは「浦和レッズ!」を大声で連呼した。守護神の西川周作(36)は「胸を打たれました」と、ファン・サポーターの熱いエールをしっかりと受け止めた。
「この連敗スタートは受け入れ難いはずなのに、自分たちと一緒に戦ってくれているファン・サポーターがああやってポジティブな雰囲気を作り上げてくれた。だからこそ、1週間後には違った姿を見せなければいけない。これは間違いなく自分たちへのメッセージだと受け取ったので、とにかく全員で勝利を収めることで責任を果たしていきたい」
 過去を振り返れば1993、1994、2002シーズンは開幕3連敗を喫したなかでゴールはマークしている。2008シーズンは3-0でアルビレックス新潟を撃破すると、ゲルト・エンゲルス新監督のもとでリーグ戦の連続無敗を10(8勝2分け)に伸ばした。
ホーム開幕戦となる3月4日の次節は、元日本代表MF香川真司(33)が復帰したセレッソ大阪を浦和駒場スタジアムに迎える。昨シーズンはリーグ戦でともに無得点で連敗を喫し、YBCルヴァンカップ準決勝第2戦では埼玉スタジアムで0-4の大敗も味わわされた。
現状を厳しいと位置づけたスコルジャ監督は、それでも努めて前を向いた。
「開幕戦と比較すれば進化した部分があると感じているし、私自身は前向きにいまの状況をとらえている。ゴールを奪えるようになればいまの流れを変え、イメージも変わってくる。そして、それを成立させるとことができると私は信じている」
 苦手な相手でも今シーズン初ゴールを、そして初勝利を。新体制だから、新しい戦い方だから、攻撃陣の駒が足りないといった言い訳が、いっさい許されない戦いが浦和を待っている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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