本田圭佑氏の”1年限定”監督就任直訴もライセンスがなく協会は「すぐには返事をできない」と拒否→「将来的に(監督を)目指していただきたいタレントの一人」と含みを持たせる
山本技術委員長の「すぐに返事はできない」や「将来的に」という言葉が何を意味しているのか。本田の濃密な経験や卓越したサッカー観を含めて、指導者として還元できる価値があると山本技術委員長は認めた。それでも4月にシンガポールのジュロンと契約するなど、現役選手と実業家の二足の草鞋を履き、ライセンスを巡って我が道を貫こうとする本田の希望は、現時点では実現させるのが難しい状況にあるのだろう。
ただ、森保監督を続投させる上でも、今大会の総括は絶対に欠かせない。
ブラジル戦では後半開始とともに、イタリア出身の名将カルロ・アンチェロッティ監督が戦い方を大幅に変更。日本は防戦一方になった末に11分に同点とされ、延長戦突入直前のアディショナルタイム5分に勝ち越しゴールを奪われた。
「試合を振り返ったときに、交代カードを含めた采配でチームを勝利に導けたとも考えられるので、その意味ではやはり悔しい負け方をしたと思う」
敗戦をこう総括した森保監督は、敵将との采配合戦で後手を踏み、戦い方を修正できないままに敗れた展開に対してさらに言葉を紡いだ。
「じゃんけんで言えば試合中にあいこはない。どちらかが手を出したら、後出しじゃんけんでその手に勝つように、上回れるようにする応酬だと思っています。アンチェロッティさんがこれまでやってきた戦術的な変更という意味では、選手たちに『シンプルにクロスを上げてくる』かもしれないと伝えていた。そこでボール保持者にアタックせず、引き過ぎてしまえば結局はやれてしまうので、ボールを奪いに行こうとも伝えていた。それができたかどうかは結果論で、みなさんに評価いただければと思います」
ただ、指揮官の中では答えは見つかっていた。
「押された中で相手がやろうとすることに、選手たちはほとんどのところでは対応できていた。それが完璧だったかというと、失点してしまったところはサッカーでは起こり得ることだと思うし、受け身の展開になったのが悪いのではなく、そこを守り切って攻撃に移るところができるように力をつけていかなければいけない」
試合中における臨機応変な采配に欠ける点は、ロングボール戦法に屈して逆転負けを喫した、2024年2月のイラン代表との前回アジアカップ準々決勝を思い起こさせる。その点を踏まえても続投を要請する方向性をすでに固めたのか。それとも、これから技術委員会内で議論を重ねていくのか。今月23日の理事会で承認を得るタイムスケジュールでいくならば、次期日本代表監督誕生へ向けて残された時間は決して多くない。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

